ふたご1

「大きなのっぽの古時計、おじいさんの腕時計♪」


ふたご2

「腕を酷使しすぎですよおじいさん。」


ふたご1

「カナダのマギル大学教授ジェフリー・モジルさんが、マウス専用スケールを開発したそうです。」


ふたご2

「なんですかマウスの専用スケールって。」


ふたご1

「念のために言っておきますが、マウスといってもコンピューターのほうではありません。」


ふたご2

「ああねずみのほうのマウスですか。」


ふたご1

「そうです、頭の上に落ちてくるとびっくりするほうのマウスです。」


ふたご2

「なぜコンピューターのほうだと驚かないのか知りたいところですが。」


ふたご1

「このスケールをマウスにあてはめると、マウスの表情がわかるのです。」


ふたご2

「あるんですかマウスに表情。」


ふたご1

「ありますとも。」


ふたご2

「見たところわかりませんが。」


ふたご1

「軽い痛みを与えてみると、人間と同じような部分をしかめる動きが見られたそうです。」


ふたご2

「なるほどそれがわかるのが専用スケールなのですね。」


ふたご1

「ですから、一見無表情に見える対象でも、スケールを使えば表情がはっきりするのです。」


ふたご2

「そうなんですか?」


ふたご1

「たとえば政治家の方でも表情がほとんど変わらない人がいるでしょう。そういう人にもスケールを開発すれば、表情がわかりやすくなって人間味も伝わるというものです。」


ふたご2

「そうなんですかねえ。」


ふたご1

「『あ、この発言の時には眉毛が二ミリ下がった。これは…遺憾に思っている!』」


ふたご2

「まず遺憾がよくわからないのですが。」


ふたご1

「『はっ、皮膚の色が緑色に!これは…すごく遺憾に思っている!』」


ふたご2

「何の生物だその政治家。」

ふたご1

「このように、スケールさえあれば、43種類の遺憾を見分けることが出来ます。」


ふたご2

「結局遺憾だけか。」


ふたご1

「このスケールはもっと他のものにも使うといいですね。」


ふたご2

「他のものといいますと。」


ふたご1

「たとえば漫画とかですね。」


ふたご2

「漫画?」


ふたご1

「これを使うと、ああゴルゴ13は笑っているんだなあ、泣いているんだなあ、遺憾に思っているんだなあ、とわかります。」


ふたご2

「ゴルゴもか。」


ふたご1

「さらに天に向けたスケールを作れば、天が怒っているんだなあ、天が泣いているんだなあ、天が遺憾に思っているんだなあとわかって、元号を変えることもできます。」


ふたご2

「昔の人じゃないんですから。」


ふたご1

「しかし、このスケールに頼りすぎると、いつか人は他人の表情が何か自分で判断できなくなっていくのです…。」


ふたご2

「恐ろしいことみたいに言われても。」


ふたご1

「やめよう!スケール!ダメ!ゼッタイ!」


ふたご2

「やりませんから。」


ふたご1

「しかしこのスケールも悪い点ばかりではありません。」


ふたご2

「悪い点は完全に妄想ですが。」


ふたご1

「マウスと人間の表情変化が似ているという観察結果が得られたのです。」


ふたご2

「はあ。」


ふたご1

「つまりこれは、動物にも感情があるということと、感情によって表情が変わることが明らかにされたのです。」


ふたご2
「そうですね。」

ふたご1

「ということはですよ。」


ふたご2

「なんですか。」


ふたご1

「人間がある感情に基づいて変えた表情に基づいて、マウスの表情を変えてやると、マウスにはその元になった感情を感じることができるのではないですか。」


ふたご2

「そうなんですかあ?」


ふたご1

「急いでマウスに『遺憾』の表情をさせて実験を!」


ふたご2
「遺憾だけを感じさせてどうする。」

4月30日、無洗米という名称に対し、普通の米が「我々も洗われて無い米、すなわち無洗米だ」と抗議する「無洗米問題」。この事に対しローマ教皇庁は「わしら、リゾットの国ですさかいに、米をそもそも洗ったりしませんねん」とコメント。

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