「毎日毎日僕らはつり上がった目の丸いモビルアーマー型鉄板の上で焼かれてイヤになっちゃうよ。」
「ザクレロのプラモデルに泳がれてもなあ。」
「リンナイが新しい食器洗浄機を発売したそうですよ。」
「新しいモードがついているのです。」
「なんですか。」
「それは重曹洗浄モードです」
「そう、今までは専用洗剤を使って洗っていましたが、これからは市販の重曹を使って洗えるのです。」
「へえ。」
「『いいか、ここは戦場だ！お前達汚れはウジ虫だ！皿にこびり付く前と後にサーと言え！何だその油は！そんな吸着力でこの食洗機から生きて出られると思うか！』と、厳しく洗い流してくれるのです。」
「それは重曹ではなく軍曹です。」
「なぜこのような重曹モードがついたかと申しますと。」
「はい。」
「近年、主婦の方の間で重曹ブームが起きているのです。」
「そうなんですか。」
「重曹はこびり付いた汚れをよく落としますし、しかも食品に使われるほど人体にも安全、さらに自然への負荷も少ないとして大人気なのです。」
「なるほど。」
「しかし、重曹のこうした効果はずいぶんと前に知られていました。おばあちゃんの知恵袋的な本の袋とじには必ず載っていたものです。」
「作るなよ袋とじ。」
「しかし、その時はみんな重曹に見向きもしませんでした。しかし、時代が変わればこのブームなのです。」
「これからは他のものもどんどんこうした分野に目をつけてくると思います。」
「なんですか。」
「たとえば、掃除の時に出がらしのお茶っ葉をまいておくと掃除がしやすくなります。」
「でもそれはほうきで掃除する時だけじゃないんですか。」
「だからお茶っ葉対応のために、ほうきとしても使えるほうき掃除機を開発するとかですね。」
「ものすごく無駄な機能な気がしますが。」
「ちなみに、お茶っ葉にお湯を入れると、おいしい飲み物になるんじゃよ。」
「そんなこと知恵袋に入れるなおばあちゃん。」
「さらに、風邪を引いた時にはネギを首に巻くと良いと言いますね。」
「まあありますけど。」
「その時のために、ひもとしてネギを使えるパーカーを開発するのです。」
「ネギ臭い服はいやだなあ。」
「ネギをおしりにつっこむとよいと言う地方もありますので、」
「いやもういいです。」
「ちなみに、ネギを鶏肉と互い違いに串に刺して、焼くと、おいしいんじゃよ。」
「なんでもかんでも知恵袋に入れるな、ばあさん。」
「さらに包丁をとぐ時には、お茶碗の裏で軽くこすると簡単にとげます。」
「はあ。」
「そこで、お茶碗に近づけると、簡単にお茶碗をひっくり返せるリモコン包丁。」
「問題点としては、ごはんがのっていてもひっくり返してしまうことでしょうか。」
「すごいパワーだな。」
「ひとたび包丁が近づけば、お茶碗はひっくり返り、ごはんが食べられない…包丁を持っているあなたが食卓の支配者です。」
「完全に目的がどこかに行っているぞ。」
「ちなみにお隣の食卓も支配しようとして、包丁を持ってお隣の台所に押し入ると、警察に通報されるんじゃよ。」
8月1日、ババア！長生きしろよ！