ふたご1

「さ、テレビジョン!」


ふたご2

「テレビを見るようにすすめる気持ちだけは伝わりますけどね。」


ふたご1

「スコットランドで行われるデュアスロン大会ですが。」


ふたご2
「何ですかデュアスロンって。」

ふたご1

「トライアスロンから水泳を抜いたものだそうです。」


ふたご2

「自転車とマラソンですか。」


ふたご1

「その大会が開かれるのがあの有名なネス湖付近です。」


ふたご2
「あのネッシーで有名な。」
ふたご1

「そうです。そこで、主催者の交通大手会社ファーストグループはネッシーが現れた時にそなえて100万ポンドの保険をかけたそうです。」


ふたご2

「しかしネッシーの有名な写真はいたずらじゃなかったんですか。」


ふたご1

「そうですね、それにそもそもネッシーがネス湖から出てきて人々を襲ったということは過去になく、デュアスロン大会ではネス湖の中を泳ぐ事もないですし。」


ふたご2
「まあ主催者が話題性を狙ったという話なんじゃないですかねえ。」
ふたご1

「それはひどい言いがかりです。」


ふたご2

「あんたもさっきネッシーが人を襲う事はないって言ってたじゃないですか。」


ふたご1
「たしかにネッシーが現れる可能性はきわめて低く、人を襲う可能性にいたってはほぼゼロです。しかし、しかしですよ。」

ふたご2

「なにがしかしですか。」


ふたご1

「ネッシーが現れた場合、人を襲わなくても大会に多大な損害を与えうる事態は想定されるべきものではないのでしょうか。」


ふたご2

「なんですかいったい。」


ふたご1

「たとえばネッシーを見ようと報道陣が押し寄せ、レースの開催運営に支障を来すような事態が起こるとか。」


ふたご2

「まあネッシーが出れば騒ぎになるでしょうけども。」


ふたご1

「たとえ報道陣の動きを規制できたとしても、日本からも報道陣がやってくるでしょう。」


ふたご2
「まあ世界的なニュースですからね。」

ふたご1

「そうすると日本のワイドショーの報道陣もやってきて、ワイドショーで取り上げられるでしょう。」


ふたご2
「まあそりゃそうですね。」

ふたご1

「すると昨今のなんでも『王子』をつけたがるワイドショーの手によって、ネッシーは『怪獣王子』という名前がつけられてしまいます。」


ふたご2

「いやそこまでは。」


ふたご1

「すると別名『怪獣王子』であるところの空手家・佐竹雅昭との間に確執が勃発。」


ふたご2
「まあそう呼ばれていましたけれども。」

ふたご1

「はたして地上最強の王子は空手か、怪獣か、そういった議論が紙上をにぎわせる毎日に。」


ふたご2

「どこの紙上か。」


ふたご1

「すると昭和40年代に『怪獣王子』という特撮番組があったのだと言うことが発覚。」


ふたご2

「ああそうなんですか。」


ふたご1

「それを知った佐竹雅昭とネッシーは今まで互いに争っていた愚かさに気づき、和解。」


ふたご2
「和解せざるを得ないような真実でもないでしょうそれ。」
ふたご1
「すべてをぶつけ合った二人の間には友情が生まれ、ネス湖のほとりでネス湖の水を酌み交わす間柄に。」
ふたご2

「酌み交わしてもただの水でしょう。」


ふたご1

「そのうち酔いがまわり、ネッシーのよからぬ癖が出てきます。」


ふたご2

「なんですか。」


ふたご1

「まわりの人がいやがるにもかかわらず酒をすすめるという迷惑な酒癖です。」


ふたご2

「だから飲んでるのは水でしょう。」


ふたご1

「そこにやってきたのがデュアスロンの参加者達。」


ふたご2
「はあ。」

ふたご1

「いやがるデュアスロンの参加者にネス湖の水をすすめ、給水所のスポーツドリンクもネス湖の水とすり替えるネッシー。」


ふたご2

「手先が器用な怪獣だなあ。」


ふたご1

「その結果、生水を飲んだ選手達はおなかを壊して大会がめちゃくちゃに。」


ふたご2

「あらためて佐竹雅昭の丈夫さだけが目立ちますが。」


ふたご1

「そういう可能性を考慮して、100万ポンドの保険をかけたわけです。」


ふたご2
「金をドブに捨てるとはそのことですが。」

8月24日、京都で道場を開催。

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