ふたご1

「ぬかサーファーは、丘サーファーよりも、海サーファーよりも、ビタミンB1をふくんでいます!」


ふたご2

「ふくまれたからといってなあ。」


ふたご1

「今年の大きなイベントと言えばロシア革命90周年記念ですが。」


ふたご2
「えらく中途半端な記念ですが。」

ふたご1

「そのロシア革命に反対してロシアを去った在外ロシア正教協会と、ロシア国内の正教会がこのほど正式に和解したそうです。」


ふたご2

「ソビエトなどの社会主義国では宗教は認められませんからねえ。」


ふたご1

「宗教は人民のアヘンとマルクスも言いました。」


ふたご2
「麻薬ですか。」
ふたご1

「つまり『アヘン戦争=宗教-人民の+戦争』とあらわせるわけです。」


ふたご2

「いや無理に式にされても。」


ふたご1

「(宗教-アヘン)+(宗教-アヘン-の+による)+(宗教-アヘン+ための政治)とも言えるわけです。」


ふたご2

「言わないでほしいわけですが。」


ふたご1
「それぐらい宗教と社会主義の関係はややこしいわけです。」

ふたご2

「無理にややこしくする必要はさらにないです。」

ふたご1

「その当時、ロシア正教会の主教はソビエト政府を認めたのですが、それに反対した勢力が国外に亡命したというのがそもそもの始まりです。」


ふたご2

「なるほど。」


ふたご1

「しかしそんな社会主義体制が崩壊したのはもう20年近く前になるのに、なぜ和解が今年になったのか、それが不思議です。」


ふたご2

「そういえばそうですね。」


ふたご1

「かつて自分たちと意見を異にしたからと言って、元は同じロシア正教の民がなぜ和解し合えなかったのか。」


ふたご2
「まあそういう行き違いは結構ありますけどね。」

ふたご1

「私が考えますに、ロシア正教会の和解の呼びかけを在外正教会が警戒したからだと思います。」


ふたご2
「警戒と言いますと。」

ふたご1

「これはワナではないかと。」


ふたご2

「ワナと言いますと。」


ふたご1

「自分たちを一網打尽にしようとする、ソビエト連邦のワナだと。」


ふたご2
「いえ、あの、ソビエト連邦は崩壊しているんですが。」

ふたご1

「それは見せかけです。」


ふたご2

「いえ見せかけも何も。」


ふたご1

「在外正教会の人は聖書の出エジプト記を読んでいますからね。」


ふたご2

「聖書?」


ふたご1

「エジプトから逃れる人々を連れたモーゼが神に祈ると海がぱっくりと二つに割れ。」


ふたご2
「まあ有名な話ですが。」
ふたご1
「あわててエジプト軍が後を追いかけると、海がざざっと元通り。哀れエジプト軍は海の藻屑。」
ふたご2

「はあ。」


ふたご1

「つまり一見ソビエト連邦が崩壊していたように見えても、在外正教会がロシアに戻ったとたんにソビエト連邦が元通りになるのではないかと。」


ふたご2

「杞憂にもほどがありますよ。」


ふたご1

「それを説得するのにロシア正教会も苦労しました。」


ふたご2

「苦労するなよ。」


ふたご1

「ソビエト連邦と海は違う、どちらかというとアジアのほうが海に近い、ジュディ・オングも『なんたらかんたらアジア〜ン 女は海』と歌っているではないか。」


ふたご2
「説得する時はせめて歌詞を覚えてからにしてください。」

ふたご1

「最終的には海は二つに割れたから元に戻ったのであって、ソ連のように15の共和国に割れたら元に戻らないということで両者の合意が得られました。」


ふたご2

「どういうことかさっぱりわかりません。」


ふたご1
「しかし、また新たな危機が待ちかまえているかもしれません。」

ふたご2

「ありますか。」


ふたご1

「死んだと思ったソビエト連邦が3日後に復活したりするかも知れません。」

ふたご2
「3日はとっくに過ぎてますよ。」

ふたご1
「なにしろ寒い国なので解凍に時間がかかって。」

ふたご2
「誰だ冷凍保存した奴は。」

5月11日、欧州を一匹のミックスベジタブルが彷徨している。

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