ふたご1

「かつおかつかつお。」


ふたご2

「そりゃかつおはかつお。」


ふたご1

「六カ国協議などが何かとかまびすしい北朝鮮情勢の昨今ですが。」



ふたご2
「かまびす。」

ふたご1

「スペイン政府がEUの対北朝鮮へのぜいたく品輸出禁止の経済制裁に関することで異議を唱えているそうです。」


ふたご2

「なんでしょうか。」


ふたご1

「スペインとアフリカの間のジブラルタル海峡のスペイン側のジブラルタルは、イギリスの基地があるイギリスの領土なのです。今回の制裁でEUがジブラルタル自治政府に制裁発動の権限を認めた措置が、ジブラルタルが外交権を持って独立国扱いされると危惧しているのです。」


ふたご2
「なるほどいろいろと問題が絡みますね。」
ふたご1

「スペイン政府としてはジブラルタルは自国領土だという主張がありますので。」


ふたご2

「こういう問題はなかなか解決しませんねえ。」


ふたご1

「過去にもチャールズ皇太子とダイアナ妃が結婚後の新婚旅行先としてジブラルタルを選んでいたために、スペインのフアン・カルロス1世は結婚式への参加を拒んだことがあるそうです。」


ふたご2

「へえ。」


ふたご1
「フアン・カルロス1世が出席を拒んだばっかりにあんなことに。」

ふたご2
「関係ないです。」

ふたご1

「そういう問題を解決するべく、イギリスとスペインの両政府の間で共同統治領にする計画もあったのですが、地元の政党が猛烈に反対した挙句、住民投票で90%の人が反対して計画はつぶれてしまったそうです。」


ふたご2

「そんなにイギリス領がいいのですか。」


ふたご1

「これに関しては興味深い話があります。」


ふたご2

「なんですか。」


ふたご1

「ジブラルタルには北アフリカから連れてこられた猿が生息しているのですが、これがいなくなるとイギリスがジブラルタルから撤退するという伝説があるのです。」


ふたご2
「そんな伝説が。」

ふたご1

「第二次世界大戦中にはチャーチル首相がジブラルタルの猿の保護を命じたほどだといわれています。」


ふたご2
「そこまで本気なんですか。」

ふたご1

「となるとジブラルタルが頑なにスペインの影響力を拒む理由、これも見えてきます。」


ふたご2

「なんですか。」


ふたご1

「つまり、ジブラルタルの政界において、猿が一定の影響力を持っているのではないか、ということです。」


ふたご2
「は。」

ふたご1

「ジブラルタルから猿がいなくなるとイギリスがいなくなる、つまり逆にすればイギリスがジブラルタルから去れば、猿たちの運命がどうなるか…それを危惧した猿たちは、政界に働きかけ、スペインの影響力浸透を防いだ…。」


ふたご2

「……。」


ふたご1

「いわゆる猿族議員の存在です。」


ふたご2

「何がいわゆるか。」


ふたご1

「彼らは猿を守ることによって猿から猿酒という利権を。」


ふたご2
「猿酒があるのは日本だけだそうですが。」
ふたご1
「またはノミ取りをしてもらうという利益供与を。」

ふたご2

「あれは汗が乾燥した塩を食ってるだけでは。」


ふたご1

「日本の滋賀県でブラックバス族議員がいるのと同じです。」


ふたご2

「いません。」


ふたご1

「こうしたことから、動物の政界への進出は世界政界の大きな潮流となっていると思われます。」


ふたご2

「頼みますから思わないでください。」


ふたご1

「しかし、こうした動物との癒着は、本来の政治の目的や、自然のサイクルを考えるとあまり望ましくありません。ヤギ族議員と狼族議員の食物連鎖の争いが政界に持ち込まれて、ヤギは狼を食べるべきという法律が通ったならどうなるでしょうか。」


ふたご2
「どうにもならないでしょう。」

ふたご1

「防ごう!動物と政界の癒着!」


ふたご2

「張り切らなくても結構です。」


ふたご1
「ですからこうした癒着をした政治家はどんどん捕まえていくべきです。」

ふたご2

「政治家も災難だなあ。」


ふたご1
「しかしながら、こうした政治家たちを捕まえても第二第三の動物癒着政治家が現れるのを防ぐことができるのかどうか…。」

ふたご2
「第一も現れてませんよ。」

ふたご1
「いわゆるキャッチ&リリースです。」

ふたご2
「なにがいわゆるか。」

2月9日、おいでよどうぶつの族。

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