「この事件必ず解決してみせる！多額の財産を残してくれた、実のじっちゃんの名にかけて！」
「遺産目当てで隠し子を名乗って出てくる人ですね。」
「産業観光ですか。」
「つまり観光地として工場見学を組み入れるというものです。」
「工場の物を作る過程というのは普段なかなか見られないものですから、観光地としてのメリットは大きいと思います。」
「なるほど。」
「こうした産業観光が定着すれば、ものづくりに興味を持つ人々も増えるでしょうし、産業誘致の際に地元の理解も取り付けやすくなるでしょう。」
「さらに産業観光が盛んになると、ほかの場所との差別化をはかるために、ほかの場所では作っていないものを作るようになるかもしれません。」
「たとえば量程車とか。」
「誰かが使うなんてのはたいした問題じゃないんです。ほかの場所で作ってないものを作ることが目的なのですから。」
「そうかもしれませんがねえ。」
「ほかにも諸葛弩やメスメル式動物磁気治療器やドンドルグラスなどをぞくぞく生産。」
「そんなに使えないものばかり作られてもなあ。」
「大丈夫です。作ったものを解体処分する工場を作ればまた産業観光できる工場が増えるではないですか。」
「さらにその使えない製品をさらに合体すればまたほかでは作られていない何かができますしね。」
「その何とは言えないものが自分の意思を持って動き出し、町を壊滅に追い込んでくれるなどというほかにない動きをしてくれると、もよい観光資源ができるというものです。」
「工場の工程にマッドサイエンティストを入れないでください。」
「テクノグリーンが大阪ガス本社ビルにガス式生ゴミ乾燥処理機を導入したそうですよ。」
「大阪ガス本社から出る生ゴミはいままで熱電併給システムで処理していたのですが、これからはガスを使っていこうと。」
「まあガスの会社ですからね。」
「こういったことで、ガスを使った処理システムの優秀さを宣伝できるとガス使用の処理システムの人気も高まるというものです。」
「そうかもしれませんね。」
「ですから企業というのはなるだけ自分の会社の技術をアピールするために、いろいろな分野に自社の技術を使うべきではないでしょうか。」
「なるほど。」
「アイドルの芸能事務所はアイドルが生ゴミを食べて消化。」
「アイドルに生ゴミ食わせるなよ。」
「歌って踊って生ゴミも食えるアイドルはアピールにならないと。」
「なりませんねえ。」
「フレッシュなんですよ？」
「もう若干腐っているのでは。」
「マイナスイメージでしかないですよ。」
