ふたご1

「猪木ボンバイエにかわる新たなキャッチフレーズを募集して
いるそうですが、猪木しばきあいというのはどうでしょうか。 」

ふたご2 「結局のところ猪木にビンタされるだけじゃないですか。」

ふたご1

「中国で、パンダ用のビスケットを製造する工場ができた
そうですよ。」

ふたご2 「パンダ用ですか。」

ふたご1

「原料は竹とササです。」

ふたご2 「それはそうでしょう。」

ふたご1 「基本的に竹やササにはほとんど栄養もなく、消化も悪いので
パンダは栄養をとることが難しい動物だったのです。おかげで
パンダは絶滅寸前です。 」

ふたご2

「まあ竹林に住むことより前にそれに気づけばねえ。」

ふたご1 「しかし、こうやってすりつぶし、ビスケット状にすることにより、
おなかにやさしく、栄養もとりやすくなるわけです。 」

ふたご2 「まあそうですね。」

ふたご1

「あとはこのビスケット作りの技術をパンダに学んでもらえば、
本格的繁殖も可能になるわけです。」

ふたご2 「パンダに? 」

ふたご1

「いつまでも人間の力に頼っていては繁殖は難しいのです。
やはり自分たちの力で栄養を取らないと。
そのためにはビスケット作りの技術が必要なのです。 」

ふたご2 「そんなこと言ったってパンダにビスケット作りは無理でしょう。」

ふたご1 「三輪車にだって乗れるんだからビスケット作りだって
不可能ではないですよ。 」

ふたご2 「いや、不可能ですって。」

ふたご1

「これからのパンダの生活はビスケットをつまみながら、かたわらには
ミルクティー、BGMにはモーツァルトですわ、お母さま。」

ふたご2 「誰がお母さまだ。」

ふたご1

「いつまでも人間が支援しなければならない動物保護は
終わりですよ。動物自身の手に、技術を渡すことによって
その動物の生存も可能になるというものです。これが本来の
動物保護のやり方、ではないでしょうか。 」

ふたご2

「ではないですが。」

ふたご1 「ですからこれからはゾウも草の栽培、ライオンも獲物の牧場を
経営し、人食い鮫も人の養殖に乗り出していく必要があるわけ
です。 」

ふたご2 「こらこら。 」

ふたご1 「もちろんその養殖場には人マスコットが「ボクをおいしく食べてネ!」」

ふたご2 「ああいやだ。」

ふたご1

「第一回うどん学会が香川県の善通寺市で開かれたそうですが。 」

ふたご2 「讃岐うどんブームですからね。」

ふたご1

「それがいけない。 」

ふたご2 「いけませんか。」

ふたご1

「何しろこのシンポジウムのテーマが「うどんをブームで終わらせない
ために」ということなのですからね。」

ふたご2 「なるほど。現場では危機感ももたれているわけですね。」

ふたご1 「たしかに讃岐うどんは全国的なブームです。しかしこのままでは
ティラミスやナタデココやパンナコッタやカヌレのようになってしまいます。」

ふたご2

「カヌレ。」

ふたご1 「そうしないためにも、文学的な見地からのうどんとのつながりなどを
見ようとする試みなどもあったそうです。なるほど長い間読まれる文学に
結びつければそれだけうどんの生命も長続きするというものです。」

ふたご2

「作品中に出てくる食べ物が食べたくなりますからね。」

ふたご1

「しかしいまひとつふみこみがたりません。」

ふたご2 「ふみこみですか。」

ふたご1

「現在の讃岐うどんの支持層である若い世代が
文学なぞ読まないということがぬけておらっしゃる。 」

ふたご2 「ああそれはそうかもしれませんが。」

ふたご1 「そこでそういった層にもうどんがアピールできるような方法を
考えました。 」

ふたご2

「はいなんでしょう。」

ふたご1 「動物です。かわいい動物はみんな大好き。
そんなかわいい動物達がうどんを食べていたら、
きっとうどんの売り上げも伸びることでしょう。 」

ふたご2 「そうかなあ。」

ふたご1

「そこでパンダにはビスケットのほかに讃岐うどんも作っていただきまして。 」

ふたご2

「ますます無理じゃないですか。」

ふたご1 「ゾウは稲庭うどん、ライオンは五島うどん、人食い鮫は血まみれうどん
ですよ。」

ふたご2 「なんだ血まみれうどん。」

ふたご1

「いつか、地球上すべての生き物が、うどんを打ち合える日が来ることを
信じてやみませんよ。 」

ふたご2 「まあ信じるのは勝手ですが。」

11月14日、週刊釣りサンデー、廃刊。

 

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