これまでのあらすじ・
ホーシャムのジョン・オープンショーという青年の伯父は、五つのオレンジの種を同封した手紙を受け取った後に変死した。 オレンジの種五つを符牒とする秘密結社の手による犯行だと見抜いた探偵・シャーロック・ホームズだが、オレンジの種五つを符牒とする秘密結社は324あったのだった。
ホームズ達のもとにやってきたオープンショー青年は、伯父の日記の存在を思い出すが、その日記を秘密結社に奪われる懸念を抱いたホームズは、オープンショー青年を慌てて家に戻すのだった。


オープンショー青年
ワトスン博士

しかしだいじょうぶかね。

 
 
あーあー♪
アメリカーアメリカはー米国ー。
あーあーメキシコーはー墨国ー♪
ホームズ
ワトスン博士
…なんだねその歌は。  
   

うむ、オープンショー青年の安否を気遣っていたら、たまたまできた歌だ。

ホームズ
ワトスン博士
本当に気遣っているのかよ。

 
   

何を言うか。
袖すり合うも多生の縁というではないか。
ましてや事件の依頼者だぞ。
気遣わないわけがあっていいわけが無かろう。

ホームズ
ワトスン博士 
だったらそんな変な歌を歌わなくてもいいだろうが。  
   

何を言っているのだ。歌は心だぞ。
心を痛めた時に痛んだ歌が出てくるのは当たり前じゃないか。

ホームズ
ワトスン博士
痛んでいるのはわかっているのか。  
   

あーあーフランスは仏国ー♪
あーあールクセンブルクは盧国ー。

ホームズ
ワトスン博士

盧国だったのか。あんまり使わないが。

 
   
モンテネグロはー和国ー♪
ホームズ
ワトスン博士
和だったのか。  
   

和黒山らしいぞー♪

ホームズ
ワトスン博士
会話になってるぞ、その歌。  
 
あーあーワトスン君ー♪お茶菓子はあるかねー♪
イギリス伝統のー三時のーアフタヌーンティー♪ー
ホームズ
ワトスン博士

歌いながら休むなよ。

 
 

ラーラーかんがえるーことはーただひとつー♪ー
ひとえにーオープンショー青年のー安否のーみー♪ー

ホームズ
ワトスン博士 

本当かよ。

 
 
でーはー♪新聞に目を通しながらー♪なにかーおかしな事が起こってないかー♪ーしらべるかー♪あーあー歌う安否情報ー♪ー
ホームズ
ワトスン博士

自分が安でも否も腹立たしいな。

 

ぬうこれはー♪

ホームズ
ワトスン博士
どうした。  
 
ウォータールーでージョン・オープンショー青年がー♪変死体でー♪発見されたよー♪
ホームズ
ワトスン博士

歌ってる場合かっ!

 
 
あーあー♪ー残念だー♪ー♪ーこれはー♪いわばレクイエムー♪
ホームズ
ワトスン博士
死んでも死にきれないなあ。  
 

ワートースーンくーん♪

ホームズ
ワトスン博士
だからもうやめろってそれ。  
 

僕は誓う!
あの前途有望できらきらとして美しく、誰からも愛される好青年を殺害した犯人を絶対に許さない!

ホームズ
ワトスン博士
そんな青年だったかなあ。  
 

ゆーるさーないー♪けっしてー♪ー

ホームズ
ワトスン博士
また歌うのかよっ!  
 
さっきのはー語りー♪
ホームズ
ワトスン博士

ああうざったい。

 
 
うざったいー♪気持ちはー♪僕のほうがー多いということをー♪君は知らないー♪
ホームズ
だったらさっさとやめろ。

 
 

犯人の目星はあらかたついている。

ホームズ
ワトスン博士

急に変えられるのもなんだかなあ。

 
 

犯人はKKKだ。

ホームズ
ワトスン博士
ええっ、でもオレンジの種を符牒に使う団体は山ほどあるって。  
 
たしかにそのとおりだ、だが、僕がオープンショー青年にオレンジの種を食わせただろう。
ホームズ
ワトスン博士
ぬめぬめとした赤紫色の小動物の体液をかけてな。  
 
そこだ。ぬめぬめとした赤紫色の小動物の体液をかけた時に、ぶくぶくと緑色の泡を出したのだ。

ホームズ

ワトスン博士
ああ気持ちが悪い。  
 
ぬめぬめとした赤紫色の小動物の体液をかけて、緑色の泡を出すオレンジの種は、あの一種以外にはありえない!
ホームズ
ワトスン博士
誰だ、世界中のオレンジの種にぬめぬめとした赤紫色の小動物の体液をかける実験をした奴は。

 
 
そのオレンジはミナミアメリカクークラックスオレンジ!
ミナミアメリカクークラックスオレンジを警告に使うのはKKK以外にありえないのだ!
ホームズ
ワトスン博士

品種まで決めてるのかよ。

 
 
そう、品種まで決めてオレンジの種を送るのはKKKだけなのだ!ほかの秘密結社はそこまでこだわらないのだ!
ホームズ
ワトスン博士

…じゃあ、ほかの秘密結社がミナミアメリカクークラックスオレンジの種を絶対に送らないって事にはならないんじゃないか。

 
 
…………………………。
ホームズ
ワトスン博士
……………………・・。
 
 

…とにかくKKKの仕業と言うことで、手を打ってくれないか。

ホームズ
ワトスン博士

打てるかっ!

 
 
ああどうしよう事件はふりだしだっ!
ホームズ
ワトスン博士

まあ大して進んでなかったけどな。

 
 

ううううう…おや?

ホームズ
ワトスン博士

あ、ぬめぬめとした赤紫色の小動物が封筒をくわえて…。

 
 
むっ…そうか!紙だ!この封筒の紙は、ボストン米紙!
ホームズ
ワトスン博士
べ、米紙?  
 

日本の紙が和紙、アメリカの紙が米紙だ。

ホームズ
ワトスン博士
あるのかそんな紙。  
 
この紙を使った脅迫状を出すのは、KKKの構成員、しかも船員に違いないのだ!
ホームズ
ワトスン博士
そうなのか?  
  
そしてモンテネグロの紙は和紙だ!
ホームズ
ワトスン博士

和黒山って言ってたけどな。

 
 

 

そして気持ちの悪いぬめぬめとした赤紫色の小動物はこうだっ!

ホームズ
ワトスン博士
そろそろ慣れろよ。  

 

どえらいこってす!つづくそうおす!
次回のホームズの活躍があればお楽しみに!

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