双葉博士
えーまあーそういうわけでしてー。
私は小学生のころに科学者になろうと心に決めましてー。

獅子ヶ島委員
………。

双葉博士
その頃、やっていたアニメに、『魔法の農工大助教授・アドレッセンスナナミ』というのがありまして。
そのアニメの中でやっていた科学実験で、科学に興味を持つにいたったというわけなんです。
特に第三話のナスに油がなじむ過程のシーンは印象に残りましたねえ…。

望月委員
………。

双葉博士
そういえばその主演をやっていた声優の人が通っていたスポーツクラブのオーナーという人にこないだあったんですよー。
スポーツクラブのコーナーというわりには意外と小柄でー、びっくりしたんですけどー。

高橋委員
………。

双葉博士
そこで話題になったんですけど、意外と酢蛸ってカレーに入れるとおいしいっていう…
えーと、何の話でしたっけ。

望月委員
新規の治安用怪人に関するプレゼンテーションの話ですよ。

双葉博士
あーそうそう、そうですね。そろそろ本題に入らないといけないんですが…入るといえば博協の共済年金なんですが正統科学者プランとマッドサイエンティストプランで迷ってるんですけどどっちにしたほうがいいですかねえ。


獅子ヶ島委員

どっちでもいいよ。

高橋委員

いいかげんにしてください。
もう3時間も話してて全然本題に入らないじゃないですか。

 


双葉博士
あ、すいません。
でも今回の怪人とまったく無関係というわけではないので、もうちょっと話を続けて…

望月委員
いやもう役所もそろそろ消灯の時間です。

双葉博士
消灯ってまだ7時ですよ。

望月委員
今月は省エネ週間なので、全官庁7時消灯なんです。

双葉博士
でもそれじゃいろんな仕事に支障が出るんじゃないんですか。

望月委員
ですから不要書類を燃やして明かりにするという方法で仕事をしたりしてるんです。

双葉博士
ああ、それでこの間外務省でボヤがあったんですね。

獅子ヶ島委員
省エネどころか大損害だ(笑)。

双葉博士
ほんとですねーあははははははははは。

高橋委員
ちょっと。

双葉博士
あ、はい。

高橋委員
いい加減にしてくださいよ。いつも以上に意味がない話をだらだらと。

双葉博士
あのいつもはもう少しですねあの。

高橋委員
望月さんも獅子ヶ島さんもいちいち話に乗るから博士がつけあがるんですよ。

望月委員
それは申し訳ありません。

高橋委員
前から言おうと思ってたんですけどこの委員会何かの役に立ってるんですか。

獅子ヶ島委員
痛いところをつくねえ(笑)

高橋委員
委員長は一度も来た事ないし。

双葉博士

え、いたんですか委員長。


望月委員
というか委員の三分の二は来てませんよ。

双葉博士
わー。

高橋委員

だから博士達にももう少し自覚を持ってもらうように我々委員がきちんとした態度を示さないとこの委員会自体が有名無実なものになってしまうんです。


レムミ助手
もうすでになっているという見方のほうが有力だと思われまっす。

獅子ヶ島委員
わはははははは(笑)。

高橋委員
だからそういう危機感や責任感のなさが博士を甘やかすということに…

望月委員
高橋さん、そろそろ消灯の時間で…。

高橋委員

あ。すいません…。


獅子ヶ島委員
高橋君が怒るってのは珍しいねえ。

高橋委員
三時間もただムダ話を気化されたら誰だって怒りますよ。

双葉博士
ふ、ふふふふふふふ…

獅子ヶ島委員
な、なんだね。

双葉博士
ははははは!私がただ単に無駄な話をしていたとでもお思いですかっ!
実はこの時間になるのを待っていたのですっ!
今回の怪人の能力を遺憾なく見せられるこの夜という時間を!

高橋委員
だったら最初から夜に委員会を開催するように言えばいいじゃないですか。

獅子ヶ島委員

ドカベンのブルートレイン学園じゃないんだからね(笑)


双葉博士
この怪人は「砂漠の掃除屋」として知られるコンドルの特性を持ち、普段は建造物の清掃員として勤務していますが、一度事が起こった際にはすばやく対処できるのです!
さらに官庁がいつ襲われても大丈夫なように常時燕尾服を着ているので、いつでも新内閣に入閣でき…

レムミ助手
あ。消灯。

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